探偵の歴史

一般社団法人 日本探偵ネットワーク
All Japan Detective Network


19世紀後半の1889年(明治22年)頃、イギリスで現在の探偵と呼ぶ職業が始まり、
その後19世紀終わりアメリカ でも現在の探偵の職業が開始された。1891年(明治24年)5月21日の朝日新聞に帝國探明會という企業が 「詐欺師や盗人の所在を調べる。他人の行動調査を実施する。」との広告を出稿していた事実が残されているのが 確認される探偵社としては日本では最も古いものである。さらに1892年には、日銀や大阪地区の銀行などの出資を 受け、外山 脩造により、日本で最初の興信所である「商業興信所」が設立。その後、1895年(明治28年)に 岩井三郎 探偵事務所が開業。

第1章 探偵業の歴史

探偵が業として確立される以前の状況については、必ずしも明確ではないが、それでも現在の探偵業に関係のある 部分が存在している面が多く見られる。歴史の説明にあたっては、時代区分をしたうえで個々に行う。

1 有史前から江戸時代
神話時代は、情報蒐集の専門家を志能便と言った。戦国時代、戦国武将は、戦術の必要上組織の中に情報蒐集部門を 置くと共に、専門の忍びの者を雇っていた。また、専門家ではないが、情報蒐集に関係深い業を持った人間を間接的 情報蒐集者としていた。専門的『忍びの者』ができた背景には、知的エリートであった僧侶の存在があり、 山岳宗教における『修験者の山伏』等がその起源となっている。その後、山岳地帯に勢力を伸ばした集団が、 平地でも勢力を得、武将・豪族等と手を組むと共に、独自のネットをフル活用し、敵の秘密情報を蒐集し、 戦術を指導した。江戸時代に入り徳川幕府によって、封建制度が確立されるに及び、徳川幕府は隠密制度を行った。 代官に天下百姓(天領府地に住む潜在者)を使い情報蒐集を行っていた。この天下百姓は機密書を貰って探査 にあたっていたので、出入探題を数十名擁していた。当時の出入探題法度等の掟は厳格だったので、 一度失敗するとお役御免となり、生活の道を絶たれた。 その多くは他の土地に移り、今までの経験を活かし 民間の探偵業兼コンサルタント業を開業した。彼らは、藩の重役や豪商と関係を持ち代物収益を上げており、 当時の名称は次のとおりであった。 ア 万難報施(ばんなんほうし)修処(おさむところ)
イ 万(まん)探題処(たんだいところ)
ウ 難究(なんきわむ)探題処(たんだいところ)
エ 間知議談請(けんちぎだんしょう)
オ 万相議処(まんそうぎところ)

2 明治以降から第二次大戦までの探偵業について
明治維新により明治政府が樹立され、諸新制度が打ち出されたが、治安は必ずしも安定的ではなく、 各地にテロや暴動が頻発した。そのため、明治政府は情報収集と問題処理のため密偵を配置し、 この頃より探偵という言葉が世間一般に周知され始め、民間の密偵探偵機関が設立されている。 その後、産業が振興し、株式会社や証券取引所等が活発化し、企業信用が産業発展の重要ポイントとなってきたた め、いわゆる興信所が次々と設立され一大発展期を迎えるに至った。しかし、アメリカの探偵のような資格もなく、 調査結果に信用性に欠くケースが多いことなどから規制が求められ、明治43年3月18日に大阪府は、 探偵社や興信所を警察署の監視下に置き、調査員も登録させ、不当な調査料金の請求や虚偽報告を禁じる初の 規制は、大阪府の信用告知業取締規則(府令第26号)で、以後、各府県がこれに倣った。 そんな中で1931年(昭和6)に起こったのが帝国興信所(現帝国データバンク)差別発言事件である。 同社の姫路支所員が「水平社であればそのまま調査回答する」と発言して、水平社の追及を受け、同社が 「身元調査を業務としない」と確約後、反故にしたもの。最大手の興信所の差別事件として注目された。

明治25年/海外視察より帰国した白鳥敬之助が商工社(後 東京商工興信所)設立
明治25年/大阪に外山脩造が商工興信所(後 東京興信所と合併、東亜興信所となる)
明治28年/岩井三郎事務所
明治33年/帝国興信所(後藤武夫)現帝国データバンク
明治36年/人事興信所
明治39年/東京商業興信所(藤山雷太)
明治43年(1910年)/信用告知取締規制が施行される
大正 5年/帝国秘密探偵社
第二次大戦中/商業興信所と東京興信所が合併
その後戦争激化で興信所業務は全て中止されたが、その時点で約30の興信所が存在した

3 第二次大戦終了より、協会運動が始まるまで
大戦後、人間の地域固定制が流動的なものに変化したこと等もあり、興信所・探偵社が急成長し、 戦後は四大興信所(テイコク、ショーコー、ジンコー、テイタン)は、数十か所の事業所と社員1000人を 超えるほどになった。しかし、社会が高度化するとともに、人権尊重意識やプライバシー意識が高揚され、 探偵業が社会的諸問題を惹起するような事件が起こった。そのため、営業形態を転換したりする会社も増えた。 敗戦により戦前の規制が廃止されると、ふたたび興信所探偵社の乱立時代が訪れた。 個人の身元調査の中心は結婚と就職で、調査対照の家柄や素行、犯歴や思想など、差別につながる項目が少なくない。 保険会社や弁護士事務所と契約し、保険事件や係争事件の調査を併業するものもあり、弁護士、行政書士 とのパイプも太くなっていった。
1969年(昭和44年)、滋賀県の呉服商が、娘の結婚相手の調査を商業興信所京都支社に依頼。 同徳島支社が男性の本籍地である香川県の除籍謄本を取り寄せるなどして、出身地を差別的に報告した。 この報告のため、縁談が破談になったという事態が発生し、商業興信所差別事件として部落解放同盟が、 結婚差別事件のひとつとして糾弾闘争を展開。折から高まりつつあったプライバシー保護の声と結ばれ、 1976年に戸籍除籍の公開制限がされた。このような背景から、当時の探偵社・興信所は部落地名総鑑を作成したと され、82年、行政管理庁の諮問機関プライバシー保護研究会が、興信所探偵社の規制を答申。これを受ける形で、 85年に大阪府が「部落差別事象にかかわる調査等に関する条例」制定(他の自治体に波及しているが、 政府の取り組みはない)。
営業停止、懲役罰金を含む厳しい規制を設けている。また、社会の変化に対応して、興信所・探偵社という社会的 イメージから脱し方向転換を図る企業も増え、東京商工リサーチ、帝国テータバンク等もイメージを改める為、 改名をするとともに、人事調査を中止した。また、この様な中で人事代行、損保リサーチ、生保リサーチ、 などの調査業者で新たな勢力も起こってきた。一方、同和問題の扱いが業界に大きな影響を与えるようになり、 これが協会設立運動等の萌芽となった。

4 協会設立運動の始まりから現在まで
昭和37年:協会の結成の動きが生まれる。探偵業務に従事する者に対する国家試験制度 創設に関する具申書 (内閣総理大臣に提出、警察庁に回付)
昭和43年:再度協会結成運動が起こる。
 帝国データバンク、商工リサーチ、テイタン等の参加了承を得たが、人事興信所、  東亜興信所等の反対で不成功に終わる。
昭和50年4月:日本探偵機関連盟設立。初代会長、武内義雄氏就任。
昭和52年11月:全国探偵機関連盟設立。初代会長、武内義雄氏就任。
昭和54年5月:日本探偵機関設立。初代会長、廣嶋澄雄氏就任。
昭和55年4月:日本調友会設立。蓮見哲次郎氏会長に就任。
昭和58年2月:大阪府、探偵業に対する条例制定の意向を表明。
昭和58年3月:四団体一本化を目指す、全国探偵業団体連絡協議会発足。
昭和59年7月:四団体一本化による大阪条例制定反対運動。
昭和59年9月:四団体の支援により大阪府探偵業協会設立。初代会長廣嶋澄雄氏就任。
昭和60年1月:大阪府探偵業協会、社団法人となる。
昭和60年2月:四団体一本化準備委員会結成。国会及び自治省と法律改正に関する直接 交渉。
昭和60年5月:その結果、正式な交渉団体として自治省より指定を受ける。
昭和60年10月:大阪府条例施行。(大阪府部落差別事象に係る探偵業等の規制等に関 する条例)
昭和60年12月:探偵業は国家公安委員会警察庁の所管となる(警察庁より正式通告)
昭和61年2月:警察庁と本団体との正式会合開催。一本化の行政指導を受ける。
 また、将来の法制化等の展望を伝えられる。
昭和61年5月:四団体解散し、一本化により日本調査業協会設立。初代会長、木村正一 氏就任。
昭和62年9月:日本調査業協会の各支部を独立し、都道府県単位の協会ができる。
昭和62年10月:警察庁の指導により、協会を端行く協会方式から連合会方式に切り替える。
昭和63年9月:日本調査業協会は16の単位協会の全国連合組織となり社団法人の許可を 得る。初代会長に、木村正一氏が就任。
平成元年10月:探偵業法問題に取り組む法制化研究会を設置。(後に答申書を提出)
平成11年3月:国会の地方行政委員会にて自民党衆議院議員、平沢勝栄氏が警視庁生活 安全局長の小林奉文氏に 「調査業法」の必要性を質問する。(国会初の質疑応答の 実現)
平成15年5月:個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が国会で可決・成立さ れ、一部が施行される。
平成16年10月:個人情報保護法第8条の規定に基づき、「国家公安委員会が所管する事業を行う者等が講ずべき個人情報の保護 のための措置に関する指針」が、国家公安 委員会から告示される。
平成17年2月:個人情報保護法の施行にあたり、警察庁生活安全局は「興信所業者が講 ずべき個人情報保護のための措置 の特例に関する指針」を策定する。
平成17年4月:個人情報保護法施行。
平成18年6月:探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)が国会通過。
平成19年6月:探偵業の業務の適正化に関する法律施行。

5 外国の探偵等の歴史
1749年頃:イギリス私服刑事『バウ街の警吏』として有名になったが、彼らは私的事件を取り込んだことで、 私立探偵の元祖と言われ、1800年初期に数人の警吏が私立探偵となる。
1830年頃:イギリスに興信所が出来る。
1841年頃:アメリカに興信所が出来る。 ダン&ブラッドストリート社にはリンカーン大統領も働いていた事があるので有名である。
1850年頃:ピンカートンがシカゴ私立探偵社を設立。
1857年頃:フランスに興信所が出来る。
1859年頃:ドイツに興信所が出来る。
1880年頃:ハーグレイブ探偵社設立。
:アメリカ、ヨーロッパ共に探偵機関は探偵社、興信所、警備会社とそれぞれ分化発展した。 現在世界には大きな探偵業の世界的協会として次のものが代表的である。
ア WAD (世界探偵協会)
イ CII (国際探偵評議会)
ウ ABI (英国探偵業協会)
ピンカートン探偵社(Pinkerton National Detective Agency, 略称:Pinkertons) は、アメリカの私立探偵社・警備会社。1850年にアラン・ピンカートンが設立した。 ピンカートンは、大統領選挙に立候補していたエイブラハム・リンカーンの暗殺計画を未然に防ぎ、 有名になった人物。リンカーンは南北戦争期間中、ピンカートンの部下の探偵たちを身辺警護に雇っていた。 (リンカーン暗殺時には、ピンカートンではなく、アメリカ陸軍が警護にあたっていた)。 ピンカートン探偵社は、身辺警護から軍の請負まで、手広く営業した。最盛期にはアメリカ合衆国の常備兵より 多くの探偵を雇用していて、オハイオ州は、準軍事組織または民兵として雇われかねないという恐れから、 探偵社を非合法にしたほどである。19世紀後半の職場闘争の期間、実業家たちは、ストライキ および組合員と目 される人物を監視するスパイとして、ピンカートン探偵社を雇っていた。その最も悪名高い例が、 1892年にペンシルベニア州のカーネギー製鋼会社で起こったホームステッド・ストライキ(Homestead Strike) である。ピンカートン探偵社が雇われたのは、当時海外にいて不在だったアンドリュー・カーネギーに代わって、 ヘンリー・クレイ・フリック(Henry Clay Frick)が計画したスト破りを実行するためだった。 300人のピンカートン探偵社と労働者の間に起きた衝突で、双方に数人の死者が出た。他にも、 ピンカートン探偵社は、1877年の鉄道スト、イリノイ州、ミシガン州、ニューヨーク、ペンシルベニア州の炭坑・ 鉄鋼・材木ストにかかわった。ピンカートン探偵社は、今でもスウェーデンの警備会社Securitas ABの1事業所Securitas Security Services USAとして存続していて、その政府部門は今なお Pinkerton Government Servicesと呼ばれている。

6 現在の探偵業の定義
平成16年11月26日の内閣部会において「探偵業」の規制については、議員立法により検討することが報告された。 警察庁も同席し、「議員立法で検討して頂ければ有り難い」と発言、正式に部会として方針を了承、 本格的には年明けから立法化の検討を進めることになり、ワーキングチームリーダーの衆議院議員葉梨康弘氏が 骨子案と条文の策定作業等行った。 平成18年5月19日、衆議院内閣委員会において、約2時間にわたり、内容についての「確認的質疑」が行われた後、 全会一致でこの法案(探偵業の業務の適正化に関する法律案)を内閣委員会の起草とし、 院長提案とすることが議決され、5月25日の衆議院本会議で、これも全会一致で法案が可決された。 参議院の審議は、内閣委員会において、5月30日、法案の趣旨説明が行われ、翌6月1日、質疑及び採決、 さらに6月2日衆議院本会議において、全会一致によりいわゆる「探偵業法」が成立、平成19年6月より施行された。 この法律施行により「探偵業」及び「探偵業務」等に関して法律用語として定義された。

(1)探偵業務
第二条第一項:この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての 情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに 類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
(2)探偵業
第二条第二項 この法律において「探偵業」とは、探偵業務を行う営業をいう。ただし、専ら、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道(不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることをいい、これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。以下同じ。)を業として行う個人を含む。)の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものを除く。



全国優良探偵社

探偵社の選び方

Copyright (C) 2012 一般社団法人 日本探偵ネットワーク All rights reserved.